「棚からぼたもちパキスタン編 〜知らない土地で友達を作る〜」三原理絵

The Voicers Report は、世界各地で活躍する10人のゴーゲッターで構成された The Voicers が各々の活躍の現場から情報発信をしていきます。
今回は、GoGetterz コース「女性にしかできないことをする!パキスタンで起業を目指す」 のエキスパートで、パキスタンに移住し、衛生教育・女性と子供のマーケティングビジネスを立ち上げた女性起業家、三原理絵さんです。

 

美味しいご飯は笑顔をつなぐ

私はパキスタン料理に完全に胃袋を掴まれたクチだ。
基本的には、私はなんでも食べる。
強いていえば、ホルモンはいつ飲み込んで良いのかわからないので、好んで食べないという位で、ローカルの人が行く屋台飯も拒否感なく美味しく食べられるし、意外と胃腸も適応している。
今まで仕事でスウェーデン・フィンランド・インドネシア・フィリピン・バングラディシュへ行き、ローカルフードを食べたが、実は正直、これらの国には長くは住めないなと思った。
特に、アジアのニンニク強めの甘辛いのが苦手なのかもしれない。
そこへきて、日本人からするとかなり謎な料理がパキスタン料理。
インドカレーのイメージでも遠くはないが、日本で食べるインド料理とはやはり違う。
基本的に、パキスタン料理は、スパイス+肉・油・肉・油のコンボで、これが野菜に変わっても、野菜・油・野菜・油の組み合わせは安定している。
まぁ、平たく言えば肥える。
ほとんどの料理にたっぷりの生姜と玉ねぎ、少しのニンニクとコリアンダーが入っており、スパイスと肉とともにじっくりと油で煮込み味を出してから炒める。それに全粒粉で作られたクレープのような薄いパンが組み合わされる。
見た目は全部茶色く無骨だけど、暑い中、キッチンで汗だくになりながら何時間もかけて作る丁寧な味だ。
移住前、出張でパキスタンへ来るたびに、約1週間で2kgほど太って帰って来る私をみて、母はどこか安心したらしい。
「なんだか怖そうな国だけど、ご飯は美味しいらしい」

そして、高級レストラン、屋台、どちらで食べても美味しいのだが、一番美味しいのは、個人のお宅で作ってもらえるパキスタン料理。
その家のお母さんが、家族のためにと愛情込めて作る料理は、やはり代わりのない美味しさ。これを頂くには、「うちに食べに来てよ!」と言ってもらわねばならない。

 

宅配サービスも充実

 

イスラム教の教えでは、客人をもてなすことを良しとしており、いくら移住したとは言え、やっぱり外国人である以上、よその人=客人というスタンスにあることから、最初のうちは社交辞令も多かった。
言葉はわからないし、社交辞令のお誘い。
できることは、出された料理をどのような衛生状態のお宅のものでも、残さず、なんなら遠慮なくおかわりをするくらい、食べた。
実際に美味しいので、このおかわりは社交辞令ではない。
だんだん、この日本人はなんか違う、と思ってもらえたのか、社交辞令が消えた。
同時に、私の胃腸も強くなり、さっきまで炎天下にあった魚料理でも、種かと思ったら全部ハエだった生フルーツを食べても、よほど疲れている時でなければ、もう大丈夫。
訪問するたびに手土産を持って行くのも基本かもしれないが、逆の立場なら、自分が一生懸命作った料理を、美味しいと平らげてくれる人を私は嬉しく思う。
それは国・人種を超えても同じことなんじゃないかと。
鍛えられた胃腸の強さと彼らとの絆は比例する、と思っている。

 

まずは女友達

オシャレやボディケアに敏感なパキスタン人女性たちは、仲良くなると、とにかくよく話してくれる。基本的に、かなりのおしゃべり好きだ。
好きな人の話、料理の話、お菓子作りの話、美容の話あたりは目をキラキラさせながら可愛らしく、買い物に行ったら「これ、いくらで買えたと思う?!」とマーケットでいかにスマートに値切って買えたかというギラギラした一面、そしてチャイ(ミルクティー)を飲みながらじっくり話すときは、独身者ならこれから迎える結婚に対する楽しみと不安、既婚者なら旦那とお義母さんとのコミュニケーション、子育ての悩みが多い。
つまり、結構、普通。
宗教の話になることはほぼなく、一度だけ、目元以外全部隠している服装の友達に信仰心が強いからなのか聞いたら「お父さんが痴漢や変な男に遭ったら困るから着ておけって言うの。だから着ているだけ。暑いけど蚊も防げて便利なのよ!」と言いながら、家でその黒いアバヤ(全身を隠す黒い羽織)を脱ぐと、スキニーデニムにキャミソール。彫りの深い整った顔を引き立てるメイク。
コテで巻いた艶々の髪に、少し強めのローズベースの香水。
そりゃ、隠しておいた方がいいね。お父さんの気持ちがわかる。

 

こちらの黒い衣装はアバヤ

ちなみに、当地ではアパレルブランドや化粧品メーカーが主催するパーティーがホテルなどでしばしばあり、彼女たちはばっちり着飾って参加する。
そして、会場はもちろん、お手洗いなどどこでも始まるのがセルフィ(自撮り)。それらはSNSにアップされる。
もちろん、SNSにアップするのは女性の中でも、かなり前衛的な方。
あとは、彼女たちに会うときは、流行り廃れのない伝統工芸を用いたシャルカミ(民族服)を着るようにしている。
一度、前に買ったシャルカミを着ていたら「それ、2014年のA/Wモデルでしょう?」と突っ込まれた。
すごいな、よく見てる。パキスタンの女友達に会うときは、案外いつも気が抜けない。

 

スタンダードな民族衣装・シャルカミ

 

そして男友達を得た

この国では、何をするにも、男性がいないと動けない。買い物も、モールへ行くなら自分で買えるが、マーケットへ買いに行く場合は、男性にお願いするしかない。自らマーケットへ行くことも可能だが、日本人>中国人>パキスタン人女性>パキスタン人男性の順で、下手したら桁が変わるくらい価格が変わるので、結局、ローカル男性に頼んだ方が良い。このとき、私が買いに行って欲しかったのは、禁酒国・パキスタンで、イギリス統治時代から合法的に作られているビール各種。ここの醸造所は1860年、日本は桜田門外の変が起こったときから稼働している由緒ある醸造所だ。ビール以外にも、ワインと日本酒以外なら、なんでも作っているようだ。ビールはライトからラガーなど全部で5〜6種類あり、ここの白ビールがとにかく美味しい。(輸出されていないそうなので、飲んでみたい方はパキスタンへどうぞ!)

 

パッケージも目を惹く

 

白ビールも最高

 

そして、前からうすうす、この人は実は酒飲みなんじゃないか?と思っていた人に、ぶっちゃけどうなの?と聞いたところ、先日、とうとう「お酒は世界共通のビジネスツールだ」と、白状した。
かくしてようやく、私は貴重なローカルのビールを買いに行ってもらい、かつ、一緒に飲める男友達を得た。
ぶっちゃけトークも友人形成に必要。彼の恋愛や仕事の相談を肴に、ヤイヤイ言いながら一献とは、これでますますカラチライフが楽しくなるではないか!

 

ウィスキーロックとパキスタン料理。至福のひととき

 

文化を尊重して最大限に楽しむ

私は、パキスタンへ来るまで、ムスリムはお酒を絶対に飲まないものだと思っていた。
もちろん、真面目な方は一滴も飲まない。
そして多くの国民は真面目なムスリムなので、圧倒的に飲まない人が多い。それなので、従来持っていたイメージ通りでほぼ間違いない。
そして、ごく一部の「飲む人」は、多くの国でもそうであるように、富裕層かBOP層(Base of the Economic Pyramid層 )に特に多いように感じる。
富裕層はコミュニケーションツールとして、BOP層は危険な密造酒を作ってまで小さな快楽を求める。

ある日、某国領事館に併設されている会員制のBarへ連れて行ってもらった。
そんな場所が認められているのにも驚いたし、そこに各国の人と同じくらい、パキスタン人が集まっているのにも驚いた。
公の場では飲まないと宣言している男性も女性も、自宅やこのような人目に付かないところでは別。
とあるお酒が提供されるパーティーで、ナプキンに包まれた水を飲んでいた女友達から「私、ウォッカが好きなの」と、ウィンクされたときには、たいそう驚いた。
それ、中身ウオッカのロックだったんだ。たまに見かける、電車内で缶ビールをハンカチに包んで飲んでいる日本のおじさんと同じ発想じゃん!
とはいえ、彼女のこの行動には意味があった。

この国では女性が嗜好品を嗜むことはハシタナイとされているので、飲酒OKの場であっても、見た目は隠して楽しんでいたらしい。
以来、私もローカルのパーティーなどで機会があるときは、同じようにしている。
何より、私はあくまで外国人で、パキスタンで仕事をさせてもらっている立場なので、彼らの文化に倣って、本当は飲んじゃダメ。
もし飲む機会があるときは、現地の「飲まない」人や立場を配慮して、その中で楽しむ。
そしてできる限り、公用語の英語じゃなくて、片言でも現地の言葉を使うようにしていると、輪がゆっくりでも大きく広がっていくような気がしている。

 
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